親知らず

Oyashirazu

治療はケースバイケース

親知らずは、大人の歯(永久歯)の中でも、最後に生えてくる歯です。


身長や骨格など骨の成長が止まってから生えてこようとするために、親知らずが並ぶためのスペースが不足して、きれいに並ばなかったり、斜めや真横に向いて生えてくることにより、手前の歯や噛み合わせる相手の歯と、きつい当たり方をしていることもあります。


また、歯ブラシがうまく当たらずに汚れがたまりやすく、虫歯や口臭の原因になる、たびたび痛みや腫れを繰り返すなど、何かとリスクが多い歯でもあります。

親知らずの生え方による3大リスク

  • 親知らず全体がきちんと生えて来ないため、はぐきがかぶっている。

    歯と歯ぐきの隙間から汚れが入り込み、炎症を引き起こすので、腫れたり痛みがでる。

  • 斜めに生えて来て歯と歯の間に食べかすがつまる。

    磨きづらいため、虫歯になりやすい。

  • 前のほうへ押すため、前歯の歯並びを悪くしたり、かみ合わせの変化をおこすので、顎関節への悪影響もあり、肩こりや頭痛の原因になることがある。

親知らずの治療法

抜歯せず、痛みなどの症状を抑える場合

患者さんが、抜歯を希望されなければ、抜歯を行なうことはありません。

また、痛みや炎症の度合いがひどい場合も、即座に抜歯は行なわず、化膿止め、炎症止め、痛み止めなどのお薬を服用していただいたり、消毒などで経過をみることもあります。

抜歯する場合

状況のご説明を行なったのち、患者さんが抜歯を希望された場合、行ないます。

基本的に、初診日当日の抜歯は行なっておりません。(応急処置は行ないます)
抜歯が必要と患者さんご本人と歯科医師が相互に判断した場合、前もって注意事項のご説明、治療のご説明を行ないます。

そして、ご自身のライフスタイルに合わせて、ご自身のご都合のよいお日にちに抜歯のご予約をおとりさせていただきます。
当院では、腫れや痛みを最大限に抑えるための努力を行っておりますので、そのことについてもご説明いたします。

痛みや腫れを軽減するための工夫

術前投薬

抜歯後はもちろん、抜歯前にも待合室でお薬を飲んでいただきます。
痛み、腫れの予防を施した上で治療を行ないます。

コラーゲン製剤、抗生剤の使用

抜歯後は、抜歯した傷の治りを早めるため、歯肉の再生機能をもつコラーゲン製剤を入れ、治りを早めていきます。


ご存知のとおり、コラーゲンはお肌や髪にもいいことで有名ですが、抜歯後の傷の治り(修復)にも大いに力を発揮してくれています。コラーゲンは体の中に溶けていきますのでご安心ください。傷の治りを早めるだけでなく、美容効果もあります。


さらに傷口はしっかり糸で縫い合わせます。傷の治りが早くなるように、最大限の努力をさせていただきます。


抜歯後の腫れや痛みは、身体が傷を癒す過程での正常な反応として起きるものですが、極力、抑えられるよう、努めております。

抜歯及び外科処置後の注意事項

ご来院の患者さんには抜歯に先立って、以下のようにご説明を行なっております。
抜歯前に不安なこと、お聞きになられたいことなどは、どうぞお気軽にご相談ください。

抜歯後

  • ・ガーゼは止血の為、15~20分しっかり噛んでください。
  • ・翌日まで唾液に混じって薄い血液が出ることがありますが、心配はありません。
  • ・出血を気にして何度もうがいをすると、止血しにくくなるので、強いうがいはしないようにしましょう。
  • ・多量の出血があった場合、清潔なガーゼを濡らして20~30分くらい圧迫してください。
  • ・抜歯した部分を指や舌で触ると、出血したり細菌が入ったりするので、刺激しないようにしましょう。

食事

  • ・処置当日の食事は、麻酔が切れてから摂るようにしてください。
  • ・抜歯した日は、アルコール類を飲まないようにしてください。
  • ・主に処置した部位の反対側を使ってお食事してください。
  • ・熱いもの、刺激物、硬いものは避けてください。

歯磨き

  • ・処置した部位は指や舌で触ったり、歯ブラシをあてないようにしてください。
  • ・翌日より、うがい薬を使って、お口の中を清潔にしてください。
  • ・処置した部位以外はいつも通り、丁寧にブラッシングしてください。

運動・入浴

  • ・処置当日は、激しい運動を避けてください。
  • ・お風呂は長湯を控えて、シャワー程度にしてください。(血行が良くなると、痛みや出血を伴います)

その他

  • ・喫煙は極力避けてください。
  • ・痛む場合には、処方された痛み止めを服用してください。
  • ・痛みや腫れがあっても、水(氷水など)で冷やさないでください。
  • ・濡れタオルなどで冷やしておくことで、腫れを出来るだけおさえることができます。

外科処置後

上記の内容に加え

  • ・場合により、処置部位を縫合しています。2~3日以内にゆるんだり、取れたりした場合はご連絡くださ い。
  • ・お薬は必ず医師の指示に従って正しく服用してください。服用後体調に変化があれば、直ちに中止し、 ご連絡ください。
  • ・場合により、内出血を起こすことがありますが、自然に消えますのでご安心ください。
  • ・術後1~2週間は節煙・禁煙をおすすめします。
  • ※術後出血や治癒不全(ドライソケット)になる可能性があります。